自給自足系ミニマリスト

物を少なくしたら暮らしやすくなりました。物の選び方、手放す方法などかいています。

はじめまして。ミニマリストになったきっかけは、旅と災害でした。

ミニマリスト。10年前は知らない言葉でした。

仕事によって引っ越しをする機会が多かった時期、棚を買ってしまうと引っ越しするたびに大変なので、スーツケース3個の荷物だけを持つようにしていました。おかげで、引っ越しは何回もしたけれど、引っ越し業者さんに頼んだことは一度もありませんでした。

洗濯機と冷蔵庫も運んだので、その頃は軽自動車で2往復分の荷物で暮らしていました。

リュックひとつで旅に出ました。

その後。ヨーロッパ食べ歩きをしたい!と思い、仕事を辞めてバックパッカーになりました。

バックパッカーとして旅をしているとき、なんとなく自分の荷物は人よりも小さいことに気がつきました。他の人はあまり持ち歩いていない、調理道具やコーヒーを入れる道具(電動ポットまで)を持っていたのに、です。明らかに、リュックの大きさが小さかったのです。(ちなみに数ヶ月間の旅で45リットルのバックパックひとつでした。)

そして実際に、「荷物少ないね!」と誰かに言われれば、得体の知れない嬉しさを感じ、にやけ顔で「そお?」なんて言ったりしていました。

旅先で出会った3人でルームシェアを始めました。

本当は自転車で日本一周に挑戦しようとしていた頃。東日本大震災が起きました。そんなことしている場合じゃないと、慌てて職を探しました。

ちょうどその頃、不思議とウマが合う2人とゲストハウスで出会い、3人でルームシェアを始めました。みんな元旅人です。ルームシェアを始めてしばらくした頃、家が被災しました。慌てて荷物を詰めて、お腹まで迫る洪水の中を流されそうになりながら避難することになったのです。

避難する土壇場で持ち出したリュックひとつ分の持ち物は、たったこれだけでした。

  • 食料、水(リュックに入るだけめいいっぱい)

  • 携帯電話、充電器

  • 貴重品をまとめておいた箱

  • 使い込んだ調理器具と旅の食べ歩き日記、レシピ帳

  • 折りたたみのキャンプ用バーナーとガスボンベ、コッヘル(飯ごう)

  • 寝袋

  • 1日分の着替えと手拭い2枚

  • 本(その時一番気に入っていた本を1冊だけ。)

  • 歯ブラシ、つげ櫛

ルームシェアをしていた2人が、私よりもさらに少ない荷物で避難をしていました。

ルームシェアをしていたうちの1人は、カメラとパソコン、古今和歌集をささっとリュックにつめました。

もう1人は、貴重品だけ入れた小さなメッセンジャーバッグを身につけ、洪水の濁流に足を取られて流されそうになった私に手を貸してくれました。

2人とも「食べ物も飲み物も避難所が近いから配られたりして何かしらあるだろう、洪水の流れも早いようだし避難が先だ。」と思ったようですが、私はそんなこと考えもつかずに、おろおろと食べ物を詰めていました。

実際この後3人で避難する途中に、リュックを頭に乗せて両手で支えていた私は、バランスを崩して濁流に足を取られました。もしも友人が助けてくれなかったら、と思うと今でも恐ろしいです。

ここにあるものは全部必要ないものだったんだ、と思い知らされました。

水が引いた後、家に帰ると、ここにあるものは全て必要ないものだよなと思えました。 流されてなくなっちゃってもいいや、とどこかで思っていたものたちばかりです。だから、置いていったのです。リュックに入る大きさなのに、持って行かなかったんです。

そして何より、ほとんど何も持たずに避難した友人が、洪水に流されそうになったのを助けてくれたことが強く心に残っていました。 (その友人が今の夫ですというオチ)

荷物少ないね、っていう程度で照れていた自分が恥ずかしくて。荷物ないやん!くらいがちょうどいい、と今は思っています。

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