自給自足系ミニマリスト

自給自足をゆるやかに目指すミニマリストです。

最後の晩餐に、何が食べたいのか。

最後の晩餐。

初めてこの言葉を聞いた小学生の頃。本来の意味は、一生の終わりとかそういう意味ではないのでしょうが。授業が終わってから、「ねえねえ最後の晩餐って何食べたいー?」なんて、盛り上がりました。

自分たちが死ぬなんて、当然考えられないようなその年齢で。思いつくままに、わくわくしながら、口々に言います。

「俺、寿司ー!」「あたしはねぇステーキ!」

死ぬ前なんだから、わくわくしてる場合じゃあないよと思うのですが、自分の大好物を食べることを想像するのだから、やっぱり顔が緩んで、ウキウキしてしまいました。

ステーキといえばビフテキしか知らなかった、小学生時代。知ってしまった、モンサンミッシェルで食べた仔羊のステーキのおいしさ。

「最後の晩餐、これやわぁ。」

私や夫が料理を振る舞うたびに、ある友人が言ってくれました。それはそれは、おいしそうに食べるんです。

夫も私も仲の良い、かなり年上の、その友人。私たち夫婦が結婚するきっかけになった人でもあります。何度も何度も助けてもらって、父親のように思っている人です。

その友人は、不思議な人で。いつもお腹を空かせていました。友人を慕う人はたくさんいて、毎日誰かが友人の家にいました。

私たちは、まだ子供もいなかったし、いつもお世話になっていて、ご飯を作ることくらいしかできなかったので、夫も、私もよくご飯を作って、みんなで食べました。

偏食が激しい友人にとっては、外食がまず、難しいです。

何度も同じ人に作っていると、好きな食材や味がわかってくるので、だんだんと、口に合うようなものが作れるようになってきました。

引越しをしてからというもの、その人にご飯を作ることはなくなってしまいましたが、ご飯を作れないその人を置いて、引っ越しちゃって大丈夫かな?と心配になるくらいでした。

たぶん、周りが放っておけないような、不思議な人なので、誰かがその人に、ご飯をつくるなり、偏食でも大丈夫なご飯屋さんを見つけて、連れて行くなりしているのでしょうが。

バックパッカーひとり旅で、オランダのボートを改良した宿に泊まった時の晩餐。レトルトのミートボール缶と、パン。クラッカーにキャビア(安かったのです)をかけました。

どうして朝からそんなことを考えていたかといえば、朝のテレビ番組の特集に、心打たれたからでした。

豪華な食事でも、ご飯と味噌汁でもない、死ぬ前に食べたいもの。

いつもは「おかあさんといっしょ」を子どもと見て、次にオトッペという番組が始まると、なぜか泣き出すのでテレビを消して、散歩に行きます。

今日はなぜか泣かず、偶然つけっぱなしにしていたところ、末期ガンの患者さんが暮らす施設の特集が始まりました。

その施設では、週に一度、なんでも好きなものを食べられる「リクエスト食」があるのだそうです。

そのリクエスト食が素晴らしいのは、例えば「エビフライ」であれば、ただのエビフライが出てくるのではなく、どんなものがいいのか、付け合わせは?ソースは?など、細かいところまで聞いてくれるところです。

末期ガンの患者さんたちがリクエストしたものは「あの時食べた、あの味をもう一度」だった。

最後の食事になるわけじゃない、それでも、残りを数えられるだけの食事。

いったい、どんなものをリクエストなさるんだろう。気になって、番組を見ていました。

すると、どの人もみんな、「あの時食べたあれが食べたい。」という、思い出の味を再現してもらうような、そんな食事をお願いしていました。

例えば。 小さい頃、お好み焼きのようなものを兄弟で取り合って食べた、それにはこんな具が入っていた。 先立った夫とデートで行ったレストランで食べた、エビフライが食べたい。 など。

オランダだし、チューリップを買って、飾りました。花瓶は、ミートボールの入っていた空き缶です。

エビフライと答えた女性に、どんな思い出があるのかを聞いていました。

「エビフライなんて食べたことないから、食べ方がわからなくて。ナイフとフォークで食べたら、エビの頭がポンと飛んじゃって。」

それはそれは楽しそうに話す女性。

それを聞いた調理師さん、栄養士さんたちは相談して、 「ナイフとフォークで食べて頭が飛ぶようなら、かなり大きくて、食べごたえのあるエビだからそういうエビを探してきましょう。」 と、買い出しに出かけました。 付け合わせも何がいいかを聞いて、作りました。

ナイフとフォークを添えて、女性の前にエビフライを出しました。

「今日も、頭を飛ばしちゃうかもしれないわね、どうやって食べましょう。」と、本当に嬉しそうに、幸せそうに、にこにこしておられました。

過ごす時間も含めて、「おいしい。」

その施設で働く方は、そういう思い出を話したり、食べたりして、それが生きる活力になれば、と話していました。

オランダのボートハウスから見えた景色。カモにバゲットをちぎってあげながら、一緒に晩ごはんを食べました。おいしい景色、おいしい時間。

もしかしたら、自惚れかもしれないけれど。

友人が、私たち夫婦の作る料理を食べて「最後の晩餐、これやわぁ。」と言ってくれたのも、「今この時間が、最高の思い出になるわぁ。」という、楽しい時間も含めての言葉だったのかな?と、ふと思いました。

ミニマリストの本棚

定年バックパッカー読本 団塊は、世界をめざす!
by カエレバ

私のずっと持ち続けている本のうちの一冊です。夫が定年を迎えたら、また2人でバックパッカーになろうと話しています。

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